13      輸送部隊は前進した
 
 
 
 
 突然、本国の要塞を占領され、その奪回に向かった部隊は次のように報告せざるを得なかった。
「我、バルトカッツェ砦に達するも、敵軍を確認しえず、敵軍は西方に退避せる模様。」
 攻撃を準備し奪回したと思ったら敵はすでに逃亡していた。アグレシヴァル軍は地団太を踏んで悔しがった。
 全ては囮だったのだ。彼等は牽制に引っかかり、主力部隊を向けてしまった。その間に第4師団が大損害を蒙ったのだ。
 これは、明確な敗北であった。
 
「ここまではうまくいったな。」
 アグレシヴァルに最も憎悪されるべき人物は退却する自軍を見ながら言った。
「連邦軍に連絡を、我々は脱出中だと伝えてくれ。」
 帝国軍のケネス・レイモン准将であった。
既に、彼が率いる部隊は安全圏に到達していた。
 彼の命を受け、兵が「通信機」を操った。そこに連邦軍の兵が現れ、用件を伝える。
まったく、コレがなければこんなにうまくいかなかたろうな・・・
 と、ケネスは思った。
 何処にいつまでに部隊が達しているべきか?タイミングを合わせるのは難しい。だが、この通信機はリアルタイムで遠くに離れた人と会話できる。
 これを開発した老科学者の豪語は根拠のないものではなかったようだ。
「閣下、連邦軍の輸送部隊が南下を再開した模様です。」
 通信機に取り付いていた兵が報告すると、幕僚たちにどよめきが広がる。
「閣下、これで帝都に食料が届きます。テオドラ様もお喜びになるでしょう。」
 幕僚も殆どが貴族の出である彼らはテオドラから与えられた任務を完遂できそうなことに満足していた。それは今後の宮廷での自分の地位と無縁なことではないからだ。
 だが、ケネスは平民であるぶん、そのような空気とはあまり縁がなかった。
 ただ、普通に答えただけだ。
「ああ、そうだな。」
 彼の思考はそれとは別の所にあった。
 アグレシヴァルが妨害にでる可能性は本当にないのだろうか?と
 
 
 
 
 輸送部隊の素晴らしいスピードで南下を続けていた。敵の妨害は全くといっていいほどなかったからだ。
「敵兵はいなさそうね。」
 それを実感できるのは僕たちなのかな。
「よかった、偵察部隊の僕たちですらアグレシヴァル兵に会わないなんて・・・・本当に作戦が当たったんだね。」
「でも、油断は禁物よ」
 それまで使っていた望遠鏡をアネットは降ろした。
「国境は先なんだから。」
「わかっているよ」
 と、スレインは応じた。
 そう、まだ終わっていない。このまま敵に会わなければいいのに・・・
「望遠鏡を貸して。」
 筒のような物体から遠くを覗き込むとその景色が驚くほどハッキリと写りこむ。ビクトルが暇つぶしのように開発したものだが、かなり重宝している。
 それに、
 弱気が顔に出るのを隠すのにこれはいいのかもしれない。
 山が見えた。連邦と帝国を隔てる山脈だ。山と山が途切れる場所それがポリアー峠と呼ばれる場所だ。
 望遠鏡でその周囲を注意深く眺めた。ここまで来て、敵がいるとすればここくらいだ。何故なら輸送部隊は必ずここを通るからだ。
 しかし、味方の報告ではここに敵はいないはずだ。
 街道が見える、その両側に森林がありその後に同じように大地は隆起し山脈になっている。
 ・・・・いないのかな敵?
 傍目にはただの道にしか見えない。
 方角を変えてみるか・・・
「みんな、あっちの方向に向かってそこから峠を見てみよう。」
「わかった。」
 右にある岩に登り、そこから再び峠を見る。木の中に明らかに自然とは違う構造物が見えた。
−嘘だろ・・・何にも無いはずだったのに。
「リーダー、どうしたんや?」
 スレインは無言でヒューイに望遠鏡を渡した。彼はそれを覗き込むと、スレインと同じ結論に達した。
 どうやら、見間違いではないらしい。
「・・・・敵だね。」
 スレインは認めざるを得なかった。
 辺りを木の壁で囲い、その中に石造りの建物が見える。急造であることは丸分かりだが、砦であることは間違いなかった。
 アネットが身を乗り出した。
「何よ聞いてないわよ。よりによってこんな所に・・・」
「このままでは、輸送部隊が・・・」
 そう、あの砦は丁度道を弓や魔法の攻撃圏に捕らえている。強引に突破しようとすれば大損害を受けることは間違いない。
 モニカが振り向いた。
「どうするの?スレイン・」
「まずは・・本隊に連絡を・・・」
「でも、連絡をしている間に本隊が来てしまうわ」
「・・・・・」
 そうだろうな。
 本隊と合流してここを通り抜けるというのは無理だ。
 それならば・・・
 しかし、自分は戦えるだろうか?
 正直、体が震えている。
 砦の敵兵は200人はいるだろう。こちらは5人。だが、迷っているうちにタイムリミットが近づく。
 −やろう、
 そうだ、モンスターとの戦いはなんとかなったじゃないか。
「敵をなんとか、混乱させられないかな?」
「ちょっと、スレインここで戦う気なの?」
「まともに戦えばあっというまに全滅する。だからせめて敵を麻痺状態に出来れば・・・たとえば火事とか・・」
「よういうた!」
 後ろからドンと肩を叩きながらヒューイが壁を指差す。
 まだ、工事途中であることがありありと分かる。それも木造だ。
「リーダーの言う通りあれに火をつければ、敵さんも大慌てや。輸送部隊もなんとか通りぬけられるやろう。」
「火をつけるって・・・こんな風も無い状態で?」
 アネットの懸念は尤もだった。風の助けが無ければ敵を麻痺状態にするほどの火災にはならないだろう。
 しかし、ヒューイは強気だった。
「吹く!絶対に吹く!」
「ああ、そうですよね〜」
「ラミィ、知っているの?」
 強気の理由がラミィには分かったようだったが、それを言おうとした瞬間彼女は突然発生した風に飛ばされてしまった。
おそらく、ヒューイの仕業なのだろう。いたずらっぽそうな笑みを浮かべているが、理由を言葉に出されるのはまずい様だ。
「ふあ・・・すごい風だったわね。」
「でも、ヒューイの言うとおりこの風ならばうまく行くかもしれないわね。」
「そうでっしゃろ?」
 と、ヒューイは言った。
 −それしかないか・・・
 どのみち普通の方法では解決できないのだから、奇策に頼るほか無い。
「その、方法で行こう。」
 スレインが決断すると、皆頷いた。
 砦の方向に顔を向ける。敵の状態を知るというようりは仲間から視線をそらそうとする気持ちのほうが強かった。
 自分の恐れが顔にでているかもしれなかったから。
「はう〜、酷い目にあいました〜」
 ラミィが戻ってきた。
「ラミィ、いつもの偵察頼んでもいいかな?」
「あ・・はいです〜!」
 
 ラミィの誘導で、スレインとヒューイとアネットが進んでいる。モニカとビクトルそして弥生は後方で待機していた。
 敵には見つかっていない。岩の陰にあるいは見張りの視界からも逃れながら近づいていく。
 目の前に木の壁が見えた。
 警備兵が歩いていくのをやり過ごす。
「行ったみたいやな・・・」
「やろう。」
 スレインは短く言うと、ビクトルが持っていた油を取り出す。
「くくく、ワシの新型の油の威力を見るときがきたようじゃな・・・」
「それいいから、早くやろうや。爺さん」
 3人はすばやく、手当たり次第にその油をまく。
 早くしなくては・・・
 その思いから若干手が震えた。
「スレインさ〜ん、敵が来てしまいます〜」
 ラミィの警告が届いた。
 後、少しだ・・・もうちょっと。
 敵兵の足音が聞こえた。
 2人に様子を見るとあらかた油をまき終えたようだ。
 手で合図を送る
 もうここは危険だ。
「誰だ!キシロニア兵か!?」
「見つかった!走れ!!」
 3人は一斉に走り出した。
 近くに迫っていた兵が叫ぶと見張り台が盛んに鐘を鳴らし敵襲を告げる。
「敵襲!敵襲!」
「おのれ!待て連邦の犬共!」
 アグレシヴァル兵も追跡にかかった。加えてやぐら台に上った兵が弓をこちらに向ける。
 もう何人か敵兵が迫っていた。
 スレインは振り返ると剣を構えた。ヒューイも同じだ。ビクトルはともかく後ろに後退させる。
 剣がぶつかり合い火花が散った。
 だが、相手の次の手が見える気がした。その直感に従って大剣を振り下ろす。
「うああ!!」
 相手の鎧が砕け、ドウと倒れる。
 やれる・・・まだ、自分は戦える。
 スレインはそう言い聞かせた。
「リーダー!爺さんも後ろに行ききったようやで!」
「僕達も下がろう。」
「させるか!逃がすな!!」
 敵兵の群れがさらに追いすがろうとするが、誰かがファイアーボールの火球が飛んでくるのを見つけた。
「こっちに来るぞ!」
「盾を構えてやりすごせ!」
 違う、それは、君たちを狙った魔法じゃない。
 それは、
 ファイアーボールは砦の木の壁にぶつかった。正確にはスレイン達が仕掛けた油に当たったのだ。
 忽ち火の手が上がった。
「火事だ!!敵の火攻めだぞ!!」
「慌てるな、火災の範囲は狭い!」
「そうは、いかんで・・・」
 ヒューイを見る。彼の体の周囲に不可思議な力を感じた。何かの力が彼の周りに集まりそしてはじけた。激しい風が吹き荒れた。
「うわ・・・!」
「何・・・本当に風が・・・」
 アネットが信じられないという表情で砦を見た。
 火災は異常な速さで砦を覆おうとしていた。
 事態の異常さに守備隊は困惑していた。
「何だ・・・これは、異常な早さだぞ。」
「魔法兵、ブリザードを使え!そのほかのものは水を!」
「ああ!こっちにも燃え移ります!!」
 アグレシヴァルの砦は完全な混乱状態に陥っていた。
「よし・・これなら・・・」
 成功だな、スレインとヒューイそれにビクトルは敵の混乱の隙をついて弥生やモニカのいる後方に下がることができた。
「見て、スレイン。輸送部隊よ。」
 後ろから馬車の大軍が迫っていた。
先頭の男が声をかけた。輸送部隊の指揮官アーノルドだ。
「おお!これは!」
「早く、通り抜けてください!!敵が体勢を立て直す前に!」
 事態を把握したアーノルドは大声で言った。
「一目散に駆け抜けよ!」
 馬車の大軍が前進した。側面を護衛部隊が守りながら進む。
 アグレシヴァルの砦は混乱のきわみにあった。誰もが火と戦っていた。だが、散発的だが弓矢や魔法の反撃が来る。
「うわああ!!」
 馬車が数台魔法で車輪を破壊され、脱落した。
「馬車は見捨てよ!」
 乗っていた者たちが馬車を捨てて逃げ出した。しかし、このような運の悪い例は少なかった。輸送部隊は砦の攻撃圏内から離脱しようとしていた。
 火を消すのに大忙しのアグレシヴァル軍は結局、効果的な攻撃ができなかったのだ。
 輸送部隊を見送れる位置にいたスレイン達は作戦の成功を見届けていた。
 砦からは若干離れている。
「うまくいったな!リーダー。」
「ああ」
 と、スレインは多く頷いた。
 良かった、できるじゃないか。これで、なんとか・・・ともかく、ここに長居は無用だ。
「爺さんは先にいっとれ。」
「むう・・・まさか腰が抜けるとは思わなんだ・・・」
ヒューイはビクトルを最後に通りかかった馬車の荷台に載せた。
「さ〜て、本当に最後やろうか・・・」
「みたいだね。」
 馬車はもう此方には通ってこない。砦の近くに数台が転がっているがそれは諦めるしかないだろう。
「このまま輸送部隊と一緒に逃げよう。」
 アネットが警戒の声を上げたのはその時だった。
「待って!あれは・・・」
「追っ手でしょうか?」
「え?」
 弥生の言う方向を見ると数人の敵兵が見えた。
「よし、彼等も倒そう」
 と、スレインは決断した。
 策の成功が彼の強気を呼び込んでいた。
 剣を構えてスレインは突進した。
「うおおおお!!」
 良く見ると、その敵の隊は3人が重傷のようで満足に動けるのは2人くらいのようだった。1人が立ち向かってきた。
 しかし、先頭の男をスレインが見たとき、そ強気は打ち破られた。
「・・・・あの人は・・・・・」
 ヴォルトゥーンで自分を殺しかけた男がそこにいた。名前はたしかクライスト。
っー
 それまで勢いよく走っていた脚が勝手に止まった。
「うああああ!!」
 それにあわせるようにクライストは槍を繰り出した。
 その後の展開はヴォルトゥーンの戦闘の再現であった。それよりも悪かったかもしれない。クライストに睨まれただけで茫然自失の状態のスレインの体を槍が貫いた。
 あの時と同じように目の前は闇だった。体の感覚も無かった。
 悔しいという感情も無かった。ただ、負けたという虚脱感が全身を支配していた。
 
 
 
「スレインさ〜ん。」
 ラミィの声だ。まだ、僕は死んでいなかったらしい。手に感じる土や空気がそれを教えていた。
「ラミィ。」
 周りに薬草の袋が散らかっている。それで助けてくれたのだろう。
「よかったです〜。」
「ああ・・・」
 スレインは辺りを見回した。
 今は助かったという安堵感よりも不安しかなかった。あの男が近くにいるかもしれない。不安の色しか感じ取れない目は、それでも誰もいないことを知らせた。
 陽は落ちようとしている。
 そして、あることに気がつく。
「皆は・・・」
 辺りを見回すと、仲間の姿は無い。
「アグレシヴァルの人たちにさらわれてしまいました〜。」
「捕まったっていうこと・・・?」
 ラミィが言うには突破してきた砦に向かって連行されていったという。
 少なくとも死んでしまったわけではないらしい。おそらく自分は即死したと判断したのだろう。
「みなさんを助けに行きましょう〜」
「・・・・」
 そう、助けに行かなくちゃ・・・助けに行こう。
 いや・・・駄目だ。
 あの男の冷たい目が思い出された。次に会えば命はない。
 駄目だ・・駄目だ。
「僕1人で・・・出来るわけが無い・・・助けを呼ぼう・・・」
「でも〜、一日も早く、アネットさんたちを助けたほうが〜アネットさんはアルフレッドさんの〜」
 そう、その通りだ。
 助けを待って、救出を始めたのでは間に合わない可能性もある。
 今この場で助けなくてはアネットはアグレシヴァルの本国に移送され、人質として軟禁されるかもしれない。他の仲間はそこまで配慮されないかもしれない。
「駄目だ・・・もしも、今あの男に会ったら・・・」
 僕は太刀打ちできない・・・
 あの眼で睨まれただけで。立っている自信もない。
「駄目だ・・・・」
 と、同じ言葉を何度も呟いた。
 ラミィはいつの間にか黙っていた。声が聞こえない。時間がずいぶん経ったのかもしれない。
 その時、近くで何かが落ちる音がした。目をそこに向けると、ラミィが倒れていた。
「ラミィ!?」
 思わず駆け寄り、ラミィを手のひらに載せると、彼女の体が消えかかっているのが分かった。
 理由は分からないが、闇の精霊の力が弱まっているのは分かった。
「ラミィ!ねえ!ラミィ」
 スレインが呼びかけても全く反応がない。
 嘘だろ・・・!
 皆の行方も分からなくなって・・・このうえラミィまで・・・
 それだけは嫌だ。
 だが、自分に何が出来る?
「闇の・・・力・・・」
 あれでラミィを救えないだろうか?
 でも、どうすればいい?ええい、死者と話したことだってあるじゃないか。あの時と同じ状態になれば或いは・・・・
 スレインは眼を閉じ、死者を輪廻に返したときと同じようにした。彼には分からなかったが闇の力が集まっていく。
 そして、彼は祈り続けた。
 ラミィという妖精の存在を消させない。
 ただ、そのこと一つのことを祈り続けた。
 
 それが、どのくらい続いただろう?
 ラミィを見ると、彼女はその実体を取り戻していた。呼びかけると、反応があった。
「スレインさん・・・」
 良かった−
 弱弱しい声でラミィがしゃべった。
「馬鹿!こんな・・・こんな自殺みたいなこと!!」
 その抗議を無視して妖精は続けた。
「出来たじゃ・・・・ないですか」
「ラミィ・・・・君は」
「やり方わからなくても出来たじゃないですか。」
 それは事実だ。
 ラミィの姿が消えかかったとき、直感的に感じたことを慌てながらしただけだ。
「きっと、スレインさんなら皆さんを助け出せます〜」
「−しかし・・・」
「じゃあ、・・・このまま・・・帝都に行くんですか〜」
「帝都に着いたら・・・」
 もう一度ラミィは繰り返した。同じ質問を。
 スレインの答えは前とは違っていた。
 まだ、体は震えている。
 恐怖心を抑えるなんて無理な話だ。
 でも、このまま皆を見捨てて生き残ってもあまり意味は無い。多分、罪悪感に耐えられない。
 だったら、もう一回試してみよう。
 それに、気楽を字で行くようなこの妖精に発破をかけられたのに、それに応えないのも駄目だろう。
 ラミィが小さな手で頭を撫でた。
「スレインさんは、やれば出来る子なんです〜」
「子ども扱いは止めてくれよ・・・」
 自分が保護者のつもりだったんだけどな。
 その時だった、どこかで聞いたことのある声がした。
「ビクトル?」
 老いた科学者がそこにいた。
「おお、お主か。他の者はどうしたのじゃ?全くおぬし等が戻らんので帰ってきたのじゃ、止めようとするものを振りほどくのに苦労したぞ。」
「実は・・・皆捕まっていて・・」
 スレインは言った。
「これから、助けに行く、ビクトルも手伝ってくれないか?」
 問われたビクトルは不可解極まるという顔をした。
「問われるまでも無いわ。行くぞ!若者よ突撃じゃ。」
 眼は発明するときと同じように爛々と輝いている。どうやらこの老人は200対2という状況も眼に入っていないらしい。
「落ち着いてよビクトル。」
 スレインは砦のほうを見た。
 多分、冷静に状況を確認したのは起き上がってから初めてかもしれない。大人数が作業しているのが分かる。おそらく、砦の補修作業だろう。皆の安全を考えれば早く助けなくてはならないが、この状態で突っ込むのは自殺行為だ。
「もう少し時間をおいてから行こう。おそらく夜になれば隙ができるはずだ。」
「ふうむ・・・・」
 ビクトルは考え込むように砦のほうを見る。スレインの言葉に納得したようだ。
「これは、ワシとした事が・・・おぬしの考えのほうが正しいようじゃ。」
それまで黙っていたラミィが言った。
「よかったですね〜ビクトルさんが来てくれて。」
「・・・・そうだね。」
 少なくとも2人の勇敢さが不安を和らげ、背中を押してくれたのだから。 
 
 
 
 
(つづく)
 
 
更新日時:
2012/05/04 

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Last updated: 2014/3/16