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8   ゴートランド大陸の人口
更新日時:
H20年9月29日(月)

また首相の他愛のない妄想です。想像に基づくものなので記事の正確性は保障できません。(内務省)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゴートランド大陸。
グローランサー5の舞台であるこの大陸は、クイーンスクリーパーを封印した際に張り巡らされた結界により外界より遮断されて後、他の大陸からこの内部の様子をうかがい知ることは出来なかった。
しかし、その内部の様子は人間には厳しいものであった。
同大陸には4つの国家が存在した。
グランゲイル王国、シリルティア王国、小国連合、そして平和維持軍である。
公式文章によると、その人口は以下の通りである。
グランゲイル王国 8000人
シリルティア王国  3800人
平和維持軍      800人 
小国連合        不明
 
さて、この数字から各国の兵力も逆算できると思われる。兵士は生産活動に関わらない非生産活動に従事している。よって、成人男子全てを軍に動員することは出来ない。戦時における動員令での徴兵、志願、予備役の召集等の制度があった状態でも全人口の10パーセントどんなに多くても20パーセント程度というのが一般的ではなかろうか?この仮定に従えば、グランゲイルは大雑把に見て兵力800人、最大限に見積もって1600人程度だろう。平時であればこれよりさらに少なく300人〜400人程度の兵力と思われる。
とすると、シリルティア王国は戦時の最大限でも380〜600人、常備兵力は200人程度と推定できる。
この数値は将軍一人が指揮するような数値ではない。しかし、全軍の最高指揮官格が将官でないと格好がつかない。それゆえ、ヴォルゲイナーやプロブにはそれぞれ中将、准将といった将官の称号が与えられているのだろう。しかし、その腹心となっているのは中尉や少尉であって大佐や中佐などの佐官の名前は見当たらない。これは兵力があまりに少ないため、わざわざ、佐官という階級を設ける必要がないということではなかろうか。そう考えれば大尉は将官に次ぐ地位ということになり、ルーファスが国王に謁見し、外交政策に意見できたのも頷けなくはない。
さて、このような人数の各国軍にとりスクリーパーの存在は悪夢である。「100人でようやくスクリーパーに対抗できる。」とは単純に考えればグランゲイルでも平時で4体、戦時状態で8体〜16体程度しか同時に対処できないことを意味する。このような状態であるから一人でスクリーパーと互角に戦えるスレイヤーはまさに軍にとり貴重な存在どころか希望であったのだろう。
一方、平和維持軍は200人の常備兵力があると言われている。これは驚くべき数字である。800人が人口だとすれば、そのうち実に25パーセントが兵員という状況は異状というほかない。しかし、このような高い比率を平時から維持することは常識的に国家ではありえない。資料には人員800人と記されており、これは純粋に平和維持軍に研究職や兵士として就職(?)した人数であろう。従って、維持軍が支配しているワースリー村や本部周辺に住む民間人はこの数値の中には入っていないと思われる。
しかし、大国たるシリルティアが3800人の人口であるから、これを超えることは考えられない。人口1000〜1500人程度とするのが、妥当だろう。それにしても人口の約10パーセント以上が常備兵力というのは高い数値である。やはり、これらの兵士の供給源は支配領域ばかりではなく、他国の志願者もかなりの数が加わっていると考えるのが自然だと思われる。
ともあれ、常備兵力が400人、800人程度、戦時でどんなに多くても2000人足らずという世界において200人という数は決して笑ってよい数字ではない。アイザックがグランゲイルへの奇襲攻撃、短期決戦に勝機を見出すのもこのような数字の裏づけがあったからだろう。
 
 
全軍が2000人に満たない軍隊同士がぶつかり合うこの大陸の戦場において、ゼオンシルトたちの戦場での戦果はどのように認識されるだろうか?
維持軍のアドモニッシャーが機能停止に陥り、グランゲイル軍が攻撃してきた戦闘では最大限に見積もると40名近い被害をグランゲイルに与えている。これは800人がグランゲイル全軍と仮定すると5パーセントの兵力を撃破したことになる。これは維持軍兵士の助力もあるとはいえ、ほぼ4人で達成するのであるから驚くべき戦果だろう。また、グランゲイル軍のシリルティア軍襲撃を阻止する戦闘では最大で12人程度の損害を与えており、これを合計するとゼオンシルトたちは10パーセント近い被害をグランゲイルに与えていることになる。これは、英雄と呼ばれるに相応しい戦果だろう。
ところで、ゼオンシルトたちはアイザックの叛乱に伴い同じ維持軍の兵士と戦闘を行った。その時、彼等の前に立ちはだかった維持軍兵は70人程度である。
この兵士達を文字通り殲滅したとするとそれは維持軍の戦闘部隊の約40パーセントに迫る損害であり、まさに屋台骨を揺るがす損失であったろう。任務の条件一つにある、なるべくアイザック派の兵を殺さないようにという条件は誠に妥当なものと言える。
もしも、グローランサーTのインペリアルナイトがその評価の通り100人の兵士を独力で撃破したなら、それはこの大陸の軍事バランスを塗り替えるだろう。そして、グローランサー4のクリストファーとシルヴァネールが自分達の世界でしたように、1000人の敵兵を撃破したならば、それはグランゲイル全軍の半数以上を撃破したということであり、超英雄悪く言えば人外の化け物、魔王と魔女と評価されただろう。
このように、グローランサー5の世界では兵員数が少ないため、そのため兵士一人ひとりにかかる軍事上の比重は高くなるのである。
そして、人間の比重が重くなるのは軍事だけではなく、文明を維持するという点から個人にかかる比重も同様である。
 
 
グローランサーシリーズに登場する国家の兵力は概ね次の通りである。
グローランサーT
ローランディア王国  常備兵力8000人
バーンシュタイン王国 常備兵力10000人以上
グローランサーW
デュルクハイム国 戦時兵力55000人
ヴァルカニア王国 戦時兵力60000人以上(推定*ロイヤルガードのシルヴァネール軍の兵力が2万、ロイヤルガードが3人いるので6万人、さらにその他にも地方の守備隊がいるだろうから6万以上と推定)
 
比較すると如何にゴートランド大陸国家の人口が少ないかが分かる最大の国家グランゲイルの人口8000人はローランディアの常備兵力と同じなのである。兵力5万を有するデュルクハイムの人口は50万を超えていただろう。8000人と言う数字はデュルクハイムの一都市に匹敵する程度かもしれない。
何故、この大陸の人口はここまで少ないのであろうか?
まず、考えられるのは地力の低下による飢饉である。
グランゲイルは都市を2つ、村落2つを有している。そして、王城は8000人の国にしてはあまりに巨大であろうように思える。もしかしたら、グランゲイルの人口は過去にはもっと多かったのではないか?この国の南部は砂漠化しているがもとは肥沃な大地だったかもしれない。それが地力の低下で大量の餓死者を生んだのではないか?これは程度の差はあれ、どの国にも起こったことだろう。
そして、この飢饉が戦争を誘発した。
戦場では多くの兵が死亡した。
さらに、戦争は労働力を農村から奪うことになり、さらに、作物不足が進んだと思われる。戦闘による死者よりも後者のほうが被害を蒙った人間の数は多いかもしれない。
そして、忘れてならないのがスクリーパーである。人間のみを襲い、100人の戦闘員でようやく互角と言うこの怪物が各地の物資の流入を妨げたことは疑いない。この大陸の食物連鎖の頂点は人間ではなくスクリーパーなのであった。
物資の流入が妨げられるということは作物不足、飢饉をいっそう深刻なものにしただろう。また、襲われて、死亡した人の数も多かったに違いない。
痩せていく大地、飢饉、スクリーパー。
クイーンを封じるためとはいえ、このような災厄に見舞われながらも文明を維持してきたゴートランド人の強靭さは評価せざるをえない。
 ED後の歴史が彼等の父祖の代のような困難に満ちたものでないことを祈りたい。
 
 
参考文献
『グローランサーX公式設定資料集』ファミ通 編 2007年
 
 
 
 



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