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15   ノイエヴァール大戦C(作成中)
更新日時:
H25年10月19日(土)

ゲーム開始時には超大国でありながら旧作、リメイク共に勝利できなかったヴァルカニアが勝利する世界を妄想しました。
当然のことながら不正確な記述になります。(内務省)
 
(神聖ヴァルカニア帝國 内務省 検閲済み)
 
 
開戦前夜、ヴァルカニアは戦争に巻き込まれた。
 
ヴァルカニア王国はこの時、ノイエヴァール大陸の最大勢力に成長していた。
数十年前のデュルクハイムとの戦争以後は外交による平和を指針としたため、戦争に介入することも無く、巻き込まれることも無かった。
平和の結果としてヴァルカニアは人口2000万を超え、商工業も発展を見た。戦争に怯える必要が無く生産に専念できるようになったこともあるだろう。安全は生産にとって最高の調味料であった。
農作物、商品の生産力の向上、人口の増加を基盤として強大な軍備が生み出され、国境に展開した。強大といっても、それはヴァルカニアの国力から見て国民に過度な負担を強いる必要がない規模であった。
ヴァルカニア軍の常備戦力は5万。これは現在のデュルクハイムの総兵力7万よりも劣る数であったが、デュルクハイムは戦争中であり、国民に対して部分的に徴兵を実施していた。ヴァルカニアは徴兵未実施でかつ兵士は志願制であった。それほど力を入れていない状態でもその兵力は大陸有数であって、それがヴァルカニアの国力の高さを示していた。
一方で国外の戦争は自分たちに火の粉が降りかからない限り、商売上のチャンスだった。イグレジアスとデュルクハイムの戦争がそれであった。局外中立の立場を取ったヴァルカニアは戦争で不足する生活物資、軍事物資を両国に輸出し、莫大な利益を得た。
まさに金持ち喧嘩せずの状態だ。
だが、戦争は拡大の一途をたどった。当初王国は戦争は一定の段階で終結すると見ていた。イグレジアス軍によるデュルケン包囲、デュルクハイム軍の反撃。これらのタイミングで和平が行われるものと思っていたのだ。
今までの常識ではそうなるはずであったが、デュルクハイムはイグレジアスを最後まで屈服させる決意であることが明白になった。
彼等は5万の大軍を集中し、イグレジアスの一挙殲滅を図ったのである。
 
ヴァルカニアはここで動いた。両国に和平を呼びかけたのだ。戦争状態の終結という建前もあったが、現実的にはデュルクハイムが大陸西方の完全な覇権を握ることを阻止することにあった。そのためにはイグレジアスが滅亡せずに存続し、戦後も一定の勢力を保っていることが必要だと考えたのである。勿論、戦況から見てイグレジアス側が不利な条件で講和するというのは前提ではあったが。
だが、事態はここで斜め上の展開を迎える。
突如としてデュルクハイム領内で新型モンスターによる被害が激増し、「これはヴァルカニア王国の仕業である」との宣伝がなされた。デュルクハイムはヴァルカニア国境沿いに大軍を配置する旨を公表し、国境警備隊もヴァルカニアに対する挑発行動を取った。
イグレジアスとの戦闘が終わらぬ中、デュルクハイムが好戦的な態度に出ることはないと思っていた王国は仰天した。別に王国はデュルクハイムを殲滅しようという物騒なことを考えていたわけではない。全面戦争など想定外のことだった。外務卿は直ちにデュルクハイムの穏健派議員と図ってトロックメアで両国の会談を行うことにした。これにより事態を穏便化させようとしたが、ここで突発自体が発生した。
会議開催地のトロックメアは正体不明のモンスターの攻撃で壊滅したのである。市外の半分が壊滅し、住民の犠牲者、行方不明者は1万を超えた。デュルクハイム側はこれをヴァルカニアの仕業であるとする情報を振りまいた。会議に参加していたロイヤルガードがデュルクハイムによる国境閉鎖を恐れて急遽帰国したことでこの扇動情報は事実であると、デュルクハイム人は考えた。
「トロックメアを忘れるな。」
デュルクハイム大統領は議会において演説しヴァルカニアの暴挙に対し、デュルクハイムは防衛の為に戦うことを決意したと述べ、両国が戦争状態に突入したことを宣言した。
一方、ヴァルカニアの側は事態の推移の傍観者に近かった。彼等にとり振って沸いた天災のような戦争に納得できなかった。だが、大国が武力を以って決意したことを覆すには武力を以ってする以外にない。ヴァルカニアは十数年ぶりに戦争に向き合わなくてはならなくなっていた。
 
●マーキュレイ動乱 ルートヴィッヒの謀略は不完全ながら成功した。
 
戦争は開始された。
ヴァルカニアは直ちに軍の準備を整えた。しかし、一部の貴族はまだ妥結は可能ではないかと考え、本格的な軍事衝突が起きる前まではと水面下で交渉を進めた。だが、デュルクハイム側は頑なであり、折り合いは付かなかった。さらに、国境に多数の防衛部隊が増強されるに及んでヴァルカニアはデュルケンとの妥協は不可能だとの結論に達した。
以前から対抗措置として増強されていた国境部隊の加えデュルクハイム侵攻部隊の編成が急がれた。
平時におけるヴァルカニアの総兵力は5万であるが、動員が開始され、兵力は急激に増していった。最終的にこの数は12万に達する見込みで、このうち7万が侵攻部隊に組みこまれる予定となった。侵攻部隊指揮官にはロイヤルガード、シルヴァネール卿、アルホンス卿が指名された。国内の防衛隊及び補給をミュンツァー卿が担うことになった。
宣戦布告より数週間が経過すると、侵攻部隊は現実にその姿を現した。だが、前進にはなかなか至らなかった。
その大きな理由となったのが敵の防衛部隊指揮官が英雄ルードヴィッヒ少将であった。彼の作戦能力は侵攻を躊躇わせるのに十分であり、それを少将の側も知っていた。彼は実際にはそれほどではないにも関わらず、国境の防衛線が鉄壁であるとの情報を流していた。要は自分の名声と実績を利用して架空の「鉄壁の防衛ライン」というイメージをヴァルカニアに植えつけたのだ。
しかし、この架空のイメージだけでは敵の攻撃を抑止することはできない。ルートヴィヒは搦め手から次の一手を放った。
ヴァルカニアの庭と呼ばれた保護国マーキュレイであった。
マーキュレイは海運業・商工業が盛んな経済大国であったが、軍事力は脆弱であった。この国がヴァルカニアに安全保障を委託し、その保証金と有事の際の軍船提供を義務としたのは古くからのことであった。
ここに少将は軍を派遣し、撃退された。兵力が少なすぎたことが理由であったが、少将にとってはどうでもいいことであった。
侵攻を行えば、ヴァルカニアはたとえ無意味であっても防衛兵力を派遣せざるを得なくなる。場所はヴァルカニアにとっても財源となる地域であり、手を抜くことはない。そうなれば、前線の負担も多少なりとも軽くなる。
さらに、ヴァルカニアとマーキュレイの関係悪化ということも視野には入っていた。どの国も他国から大軍を派遣されてよい顔をすることはない。もしも、派遣された軍が横柄な指揮官に率いられていれば、派遣された国とトラブルになる可能性もある。ヴァルカニアが派遣した部隊の指揮官はまさにこのような人物であった。名をシモンズ大佐という。
シモンズ大佐に率いられた歩兵第53連隊は3000の兵力でマーキュレイ王都に到達し、同所の警備にあたった。
 
 
 
 
 
 
 



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